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Brexitにみる手続きと合意の大変さ

 イギリスでは、EUからの離脱が未だ決着していません。10月31日には、EUとの合意なき離脱という事態が心配されていましたが、EU側が最大で3ヶ月の猶予を決めました。最悪なシナリオは、避けることができましたが、決着がつくかどうか……

 

  そもそも、EUから離脱に関しては、2年以上前に国民投票で決定しました。EUの負担金が、高額というのが大きな原因ですが、EUの規制が厳しいというのもあったようです。更に、イギリス特有の問題もあると思います。

 

 ドイツや、フランスも、負担額は高く、1位がドイツ、2位がフランスです。イギリスは、2006年のデータで古いのですが、4位で98億ユーロを負担しています。2019年のイギリスの予算が8420億ポンドなのですが、年が違うので、参考程度の数字です。ユーロとポンドで単位が違うですが、安くない金額なのはわかります。

 

 イギリスは、EUに加盟しても独自通貨を使っています。ここが違うところです。ドイツ、フランスは、輸出が好調だと言われています。輸出が好調だと、自国通貨が買われて自国通貨高となり、輸出に不利になります。ところが、ユーロで見ると経済が好調でない国が多くユーロは安くなる傾向にあります。

 

 ドイツ、フランスは、輸出が好調でもユーロ安になり、更に利益が見込めるし、輸出先での価格面でも競争できるというメリットがあります。ところが、イギリスは独自通貨なので、そのメリットがありません。

 

 そう考えると、イギリスがEUから離脱するのも理解できます。ここからが、大変でイギリスの国会では、離脱に対して有利な条件で離脱するような案でしか採決されません。ところが、EU側はそれを認めません。相互の条件のすり合わせで、2年以上もかかっています。そこで、EUとの合意なき離脱なんて話になっていましたが、それは回避されました。

 

 国同士、国と連邦機構同士が同意した内容を、どちらかが一方的に何の話し合いもなく無視したり放棄するなんてことは、普通の国ではあり得ません。イギリスとEUは、お互いの意見のすり合わせをずっとやっていたわけです。

 

 問題になるのは、アイルランドで、アイルランドの北部はイギリスです。EUを離脱するとフリーパスで行き来できなくなります。それでなくても、北アイルランドIRAが有名ですが、独立のための活動が盛んだった地域です。EU離脱で、スコットランド北アイルランドも独立の動きが再燃するかも知れません。

 

 国民投票で決まった事とは言え、一時の感情で流されることなく、EU残留を決めておけば混乱もなかったでしょう。もう一度、メリット、デメリットを考えて検討するのもありなのではないでしょうか?

 

 国同士の合意事項というのは、変更したり撤回するには時間も労力もかかります。合意した後に、一方的に合意事項を履行しないとか、あの合意は無効だと一方的に言うのは、どれだけ非常識なのか、Brexitの手続きでもよくわかります。