とりあえず移転してみました

ニュースねたや、IT系の記事を書いていくつもり・・・ですが、どうなるかわかりません。まあ、とりあえず やってみます。

楽天モバイルの皺寄せ

 楽天のポイント還元率が低くなったり、楽天ゴールドカードの得点など色々な所で、ポイント獲得が厳しくなっている。なぜ、そうなるのか?楽天モバイルの影響だろう。初めからわかっていたことで、携帯用の設備投資はとんでもないお金がかかる。そのお金をどこから調達するのか?楽天には、楽天市場しかない。

 楽天が球団を買った時にも、色々と楽天市場で変化が起こった。販売手数料の上昇や、出店料の割増など。それ以外にも、ちょこちょこと出店している所からお金を取るための政策が実施された。

 楽天で、実際に利益を上げているのは、やはり楽天市場だ。そこに出店しているお店から、少しずつ徴収できれば莫大な金額になる。楽天で商品を購入すれば自動的に楽天ポイントが1%ついてくる。これは、お店側が負担している。ポイントでお買い物できるけど、ポイントは貯める人の方が多いだろう。

 そうなると、お店からは毎月のようにポイント分のお金は入るが、同じ額が毎月出るわけではない。ポイント何倍とかの企画も、大概はお店負担だ。楽天としては、ポイントアップとかで広告をしているという主張なんだが、普通に商品が売れた時にも、販売手数料は取られている。

 システム使用料だとか、それ以外にも必要になる。手数料を数%上げるだけで、楽天は何もしなくても利益が上がる。この仕組みを覚えてしまった楽天は、楽天市場の拡大よりも、いかにお店から徴収するか?に方針が変換したように思える。

 特に、球団を買った時くらいから加速しているように思える。球団を購入し運営するには、莫大な資金が必要だ。それに見合う収入は、球場での収入だけでは厳しいのは明白だ。だからこそ、スポンサー企業がオーナーとなっているわけで、球団を所有した時から楽天は変化していった。

 同じように、DeNAも球団を持つ前に、手数料などがアップになった。理解できないのは、プロ野球というのは昔はゴールデンタイムで放送されるようなメジャースポーツだったが、今ではゴールデンタイムでの放送もない。

 スポーツのコンテンツとしては、やはり凄いのだけどプロ野球球団を持つメリットというのが、見えてこない。企業イメージのアップとか認知力アップなどもメリットなのだろうけど、かつてほどの影響力はないだろう。

 楽天とかDeNAなどのネット系の会社という比較的新しい業態の会社とプロ野球とは、どう見ても相性がいいとも思えない。

 楽天の場合は、さらに新しく携帯会社を作ってしまった。MVNOとして、運営していたのだが、MVNOの場合は、キャリアに設備を借りて運営するので、収入の大半はキャリアに使用料を払わないといけない。

 自前で設備含めて構築して、運営した方が収入全てが自社で使えるので、いいのだが。

 短期間で、全てのネットワーク、アンテナ設備を構築できないので、楽天モバイルも自社の電波が届かないところは、auKDDI)の設備をローミングとして使っている。結局、auに使用料を払うわけだが。

 設備投資が莫大になるのは明白なので、その皺寄せは当然、楽天市場にいく。出店しているお店だけの負担では、どうにもならないレベルなんだろう。ポイント還元率など利用者へも皺寄せがいくようになった。

 そうなると、楽天利用者が減っていく。利用者が減ると、売り上げが減る。お店への負担も増やす。そうなると、お店が減る。お店が減れば売り上げが落ちる。さらに、利用者へのポイントや特典を減らしていく。

 そう、悪循環だ。消費税と景気と同じようなものだ。簡単にとれるところから取ると、その反動は自分に返ってくる。理屈は、それこそ簡単で単純だ。

 楽天モバイルは、1年間無料の期間があるが、最初に契約した人がそろそろ1年経過する。1年無料というのも変な話だ。利用者は、いいのだが、本来かかっている経費は誰が払っているのか?

 1年無料で使って有料になる瞬間に、ドコモなど大手キャリアが発表している新しい格安プランに変更する人が大半だと予想する。無料だから使っているだけで、同じような金額なら大手キャリアがいいと思う人が多いから。

 MVNOと呼ばれる通信料が安くなる会社を利用している人は、全体の20%もいないくらい。大手キャリアの利用率が高いのは、高くても近くにショップがあって、大手という安心感があるからだろう。面倒くさいというのも、大きいのかもしれない。

 莫大な資金で設備投資をした楽天は、簡単には携帯事業を止めることができないだろう。巨大な赤字を垂れ流しながら、さらなる利用者増加のために資金を投入し、本業である楽天市場などから資金を投入しつつ、出店者、利用者から金を搾り取り、モバイルに注ぎ込む。

 それでも、携帯事業で数年後、数十年後に莫大な利益が見込めるなら我慢する時なのだろう。ドコモ、auソフトバンクが、そこまで何もしないなんてこともない。更なる競争が始まることだろう。

 ソフトバンクvodaphoneを買収して携帯事業に進出した際は、iPhoneの独占販売という武器を持って参入してきた。すでに、全国的な設備を持っていたvodaphoneを買収したからこそ可能だった。vodaphoneも、全国的にサービスをしていたJーPHONEを買収したから日本でのサービスができた。

 ドコモも、auもNTT、KDDIの子会社。どちらも、通信の会社だ。ソフトバンクも、JTを買収しているしADSLサービスをしていた通信会社だ。楽天は、ネット通販の会社だ。通信のプロではない。

 PHSの会社を買収したり、通信系の企業を手に入れてからでも遅くなかったのではないだろうか?