深刻な半導体不況で営業益96％減…サムスン電子、25年ぶりの減産を正式発表-Chosun online 朝鮮日報
韓国最大の企業であるサムスン電子が半導体不況の影響で14年ぶりに四半期の営業利益が1兆ウォン（約1000億円）を下回った。サムスン電子は7日、今年の1－3月期の業績速報値を発表した。それによると売上高が63兆ウォン（約6兆3000億円）、営業利益が6000億ウォン（約602億円）だった。昨年1－3月期の営業利益は14兆1200億ウォン（約1兆4170億円）だったため、今回96％のマイナスを記録したことになる。何とか赤字だけは免れた形だ。
営業利益が1兆ウォンも下回ったというのは、驚き。それでも、営業利益があるのが凄いのだが、半導体でそれだけ儲けていたということでもある。その半導体が全く売れていないので、今後も利益を出すのは難しいだろう。
半導体で巨額の赤字を記録したにもかかわらず、会社全体で黒字だった理由はスマートフォン事業のおかげだ。今年2月に販売を開始したギャラクシーS23シリーズが欧州、インド、中東など世界の主要な市場で前作を大きく上回る販売新記録を達成し、韓国国内でも先日販売台数が100万台を突破した。スマートフォンの予想営業利益は3兆3000億ウォン（約3300億円）ほどだ。それ以外ではディスプレイが1兆2000億ウォン（約1200億円）、電装（自動車部品）事業を担当するハーマンとテレビ・家電が合計4000億ウォン（約400億円）ほどの営業利益を確保し、会社全体の業績に貢献したと市場関係者はみている。
スマートフォンが売れたので、なんとか黒字になったようだが、そのスマホも中国市場では売れなくなった。半導体とスマホが売れなくなれば、他に売るものがない。
【4月8日付社説】サムスン電子の業績ショック、最後の砦が揺らいだら韓国経済はどうなるのか-Chosun online 朝鮮日報
韓国経済は国内外のどこにも頼るべきところがない状況に直面している。今年1－2月の経常収支は11年ぶりに2カ月連続の赤字を記録し、輸出は6カ月連続でマイナスとなった。景気の後退と資産市場の不振で今年は4年ぶりに税収が減少し、国の負債は1100兆ウォン（約110兆円）を上回るのが確実視されている。物価は高止まりしているが、家計負債と金融不安でこれ以上金利を上げるのも難しい。企業が置かれた状況も厳しい。半導体はもちろん電気やエレクトロニクス、鉄鋼、石油化学、精油など主力企業も1－3月期の営業利益が大幅に減少あるいは赤字を記録しそうだ。危機に直面した国の経済を支えてきた韓国を代表する企業さえ揺らいでいる。こんな状況で重大災害処罰法など反企業的な政策で追い打ちをかけても良いのか。
この文が全てを表している。物価が上がっているが、金利上昇で借金の金利は上がり、不動産も低迷している。ガス料金も上げられないため、韓国ガス公社は赤字を垂れ流す。半導体などの主力商品が売れない。主力の半導体とか鉄鋼、石油化学なんて日本から技術支援を受けたか、技術をパクった物しかない。韓国の国民の気質なんだろうが、苦労や努力をするより、流行しているものを、追いかける傾向が強い。
例えば、コンビニやチキン屋が多いのは知られている話だが、人気がある業態でもあるし、新規参入がしやすいので、多くの人が定年後や早期退職した後に参入してくる。しかし、新規参入がしやすい業界というのは、それだけライバルが多いということになる。そして、多くの店舗が存在し、競争が激化する。同じ業界に多くの人が入ってくると競争が激化するのは理解できるはずなのだが、それでも選択肢が少ないからなのか、その傾向は変わらない。
そういう気質から見ると、半導体など景気がいい時に、他の業界や業種に投資したり研究しておけばいいのだけど、いつものように半導体市場（メモリーだけね）を韓国が独占できると思うのだろう。パソコンのメインパーツのＣＰＵについては、未だにインテルとＡＭＤしか作っていない。日本の場合は、ホストコンピュータが売れていた時代には、メーカーごとにＣＰＵを設計し、ＯＳも専用に作っていた。その時代から、半導体を設計し作る技術は持っている。
韓国の場合は、そういう経験もないから単純な半導体以外は作れないし、量産化も無理だろう。残念ながら、コンビニやチキン屋のようにチェーン店のようにノウハウを教えてくれないと、自分達の力では難しいだろう。
日本企業は、この30年以上も続く不況で弱くなったが、色々な職種で強い企業が存在する。流行を追いかけるのではなく、何が必要か？この先に、何が求められるのか？常に考えて行動しておかないといけない。だから、日本で生きていくというのも楽ではない。
