韓国ドラマ イ・サンを久々に見たら、韓国の身分意識を改めて感じました。韓国の朝廷の組織として、絵を描く部署「図画署」という組織があります。この部署は、王族の肖像画を描いたり、行事などの絵を描くところです。
ドラマの中で、王族が絵を依頼して、この図画署が描くのですが、時間が足りず、下働きである茶母に絵を描かせるのです。李氏朝鮮時代には、奴隷が沢山いましたし、茶母も卑しい身分とされています。卑しい身分の人間が、王室に収める絵を描くと言うことで、問題視する人が多くいるわけです。
ところが、図画署の署長は、卑しい身分でも絵が上手ければ問題ないという考えで、その茶母に書かせようとします。それに対して、副署長が問題にして、図画署の中で騒ぎにするわけです。なんか、今でも同じような手法を使っていますね。その署長は、卑しい身分の人間に絵を描かせるというのは、この国の根幹に関わる。規律や礼に関わると主張するわけです。つまり、朝鮮という国の根幹は、身分を前提とした規律や礼であるということです。
決して、才能や能力などではなく、身分制度が重要なのです。その李氏朝鮮は、日本が日清戦争に勝利して清に朝鮮半島の独立を認めさせて、独立することができました。日露戦争で、日本がロシアに勝利することで、朝鮮を保護国として、日本が朝鮮の近代化やインフラ整備、教育改革を行うのですが、その中で身分制度も廃止しました。
つまり、1900年代初めまでは、奴隷を含めた身分制度が残っていたわけです。
ところで、日本はどうだったか？明治維新によって、日本は明治政府が治めるわけですが、その中で四民平等を行ったとされます。士農工商の身分を廃止して、全ての市民は平等ということなんですが、実は、これも誤りだったと言われています。
というのも、そもそも厳しい身分制度はなかったということなんです。商人が卑しい身分で一番下であれば、その商人から多くの藩や大名が、お金を借りていていました。厳しい身分制度があるなら、そんなことはあり得ません。徴収するだけですから。
伊能忠敬も商人から、名字帯刀を許され、幕府御用達の測量を行うわけですから、厳しい身分制度があれば、こんなことはできる訳がありません。
各藩が参勤交代で、江戸に参勤した際に、同行した下級武士の日記なども調査され、その日記の記述では、仕事はそれほど忙しくなく、江戸観光を行なったことなど書かれていました。蕎麦屋などでは、行列に並んで食べたとか。もし、身分が侍が一番上なら、行列に並んで食べるなんてことはしないでしょう。
侍だからと言って、簡単に刀で人を斬ったりするのも、ほとんどなかったようです。というのも、刀を安易に抜いて人を傷つけるというのは、武士として、恥ずかしいとされ、実際に「辻斬り」なんてする侍は重く処罰されたようです。
昔からの剣術流派の考えで多いのは、最終的に刀を抜かないで勝つというのが最高の状態という流派も多く、刀を抜いて確実に勝つのであれば、最初から抜かなくて勝てば、相手も傷付けずに済むという考えです。昔から「和を以て貴しとなす」という言葉がある通り、争いというのを極力避ける民族であるのは間違いないでしょう。ただし、弱いからではなく、武術と同じく、常に刀は斬れる状態にしておくのと同じで、武術も使える状態に鍛錬する。
しかし、その技術を武器をあえて使わないことが最良とする。これこそが、武の本質ということでしょう。
今の日本は、斬れる刀も使える技術もなくして、単に妥協する民族になってしまいましたが。
さて、話はまた韓国ドラマに戻りますが、闇商人が問題になり、その対処を話し合うのですが、朝鮮では認可された商人だけが商売ができ、認可された商人は、税を支払うという仕組みだったため、認可されていない闇商人は問題だったのです。しかし、その闇商人というのは、生活に困っている庶民が多く、認可された商人は賄賂を使い、役人を買収して便宜を図り、役人は私腹を肥やすという慣習も出来上がってました。
この仕組みも、現在の財閥だけが経済を牛耳っている仕組みと変わりません。1900年の初めまでは、奴隷制度もあるような社会で、急に外国からの圧力で大きく変化したわけですが、独立も日本が日清戦争に勝つことで、日本が認めさせ、日露戦争で日本人が多くの犠牲を払って、ロシアに勝って、様々近代化改革が実現するわけで、自らの手で何もなしてはいません。
朝鮮戦争でも、国連を主体とした軍隊が介入したことで、なんとか38°線まで推し戻せただけ。日本が太平洋戦争に負けたから、結果的に独立しただけで、今まで一度も自分の力で何もできていない国。これまで多くの日本人が日清戦争、日露戦争で亡くなったことを考えると、なんで韓国にここまで譲歩するのか？本当に意味がわからない。
