楽天は、携帯電話事業者として新規参入を目指していますが、サービス開始までにまだまだ時間がかかりそうです。今でもMVNOとしてのサービスをしていますが、「自前」で設備を持ちサービスを提供することにしました。
携帯のアンテナ基地局を全国に配備するだけでも大変な作業で、お金も膨大にかかります。アンテナを結ぶ通信回線も必要です。全国を網羅した。これまでの携帯電話事業者は、それぞれ通信会社を持っているか、グループ会社としていたりします。
NTTドコモは、もうお分かりですね。NTTです。
auは、KDDIが作った会社ですので、国際的なネットワークがあります。
ソフトバンクも、JT(日本テレコム)を買収して通信回線を持ってます。ソフトバンクの場合は、JーPHONEがvodaphoneに買収され、そのvoda phoneから買収したので、設備もサービスも人も揃った状態でスタートしています。そもそも、ADSLで全国的にも有名になった会社ですから。
そう考えると楽天の難しさが際立ってきます。楽天だって、IT企業でしょ?って思うかもしれませんが、楽天はeコマースでは有名で、サーバなど構築は得意ですが、基本的にはネットモールの会社です。
儲けているのは、楽天市場ですが、通信インフラよりショップの対応などを重視します。全国的な通信インフラはありません。全国的な通信インフラを整備し、アンテナも建てて…なんて無理です。
通信インフラは、他社から借りるのが手っ取り早いですが、支払うお金が膨大になります。全国的なサービスを展開して加入する人が少ない時期は支払うお金が多くなります。
すでに通信インフラを持っている会社は、別のサービスで使っていて共用できる部分が多いので加入者が少なくてもなんとかなります。通信インフラを構築するにも、物だけでなく知識をもった人が多くいないと構築できません。数ヶ月でどうにかなるものでもないのです。
新規参入は、どこの業界でも厳しいですが、料金やサービスでも特徴がないと加入者が増えにくい。無料期間が長いとか楽天ポイントの付与とかで対応するのでしょう。
データだけのサービスならいいのですが、音声通信もあるのも大変です。音声は遅延が大きいと途切れになり、使い物にならない可能性があるからです。音声は通信量が減っているだけに利益を出るとは思えません。
モバイルで損しても、楽天の利用料を上げるだけなんでしょうね…困ったもんだ。