大河ドラマでは、政府内での混乱ぶりが強調されていますが、もう1つ有名な大きな変革がありました。
「廃仏毀釈」と言われるものです。
明治政府自体は、「神仏分離」を発したのですが、それを拡大解釈されたりして、多くの寺院が危機的な状況になりました。
元々は、神仏習合という形で神社とお寺は同じ境内で同じように信仰されていました。今でも神社とお寺が近くにあることで理解できます。
仏教が日本に入ってきてからも、元々の神様を例えば「大国主」を「大黒天」と同一するという形で、元々いた神様を仏教に取り込む形で信仰されていました。
大黒天様自体が、ヒンドゥー教のシヴァ神の化身のマハーカーラという神様で、仏教に取り入れられた神様。
さらに、日本で大国主様と同一視され、姿形まで変わっています。
多くの宗教の神様を集合することで、仏教の信者と増やすという目的もあったのでしょうが、他の宗教を排除することなく一緒に信仰することができるというのは日本的な感じがします。
神仏分離を宣言し、僧は神職になるか還俗するように命令された。有名な奈良の興福寺も、多くの僧が離れ、敷地もほとんど奪われ国宝の五重塔も250円で売られてしまう始末・・・
鹿が多くいる奈良公園も、かつは興福寺の敷地で多くの僧が住んでいた場所だったようです。神仏分離令からの廃仏毀釈運動によって、今の観光地が出来たというのも皮肉な話です。
明治政府は、資金難のため多くの領地を持っている寺から土地を徴収するのが目的だったようです。
大河ドラマでも資金難の話が出てきますが、かなりの資金難だったようです。
太陽暦の採用の話でも、これまでの太陰太陽暦から変更する際に太陰太陽暦では閏月があり、閏月がある年だったため、1月分多く給料を払わなければいけなくなるので、準備期間も少なく変更しました。
江戸総攻撃の話も、じつは新政府側は攻撃する資金もなく、新政府側も江戸城無血開城になり安堵したとか・・・
これまでの感覚では、長年続いて腐敗してしまった江戸幕府を新進気鋭の薩長が打倒して、新しい政府を作った・・・というイメージでしたが、本当のところは全然違うようです。
江戸幕府から、ゆるやかに変革を進めていれば、もっと違った世界になったかも知れません。