さらに、「メッセンジャーRNAを打つと自分の遺伝子が影響を受ける」というデマについて、「高校の生物を勉強していれば、絶対にあり得ないということは分かる話」と断言し、その理由について説明。その上で、「絶対にあり得ないことをあたかもあるかのごとく医師の資格が持っている人が語るというのは、本当に罪深い」と繰り返し強調。「それが元になって信じてしまった人たちが、また広げてしまうわけですよね。僕はちょっと許せないと思います」と怒りを露わにしていた。
これは、セントラルドグマという話をしているのでしょう。DNAからmRNAができて、mRNAの情報からタンパク質ができる。しかし、逆はないという話。
ところが、これも新しい技術だとDNAの編集ができてしまう。
【ノーベル賞解説】「クリスパー・キャス9」って何?新型コロナにも有効?|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
クリスパー・キャス9の最大の特徴は、狙ったゲノムの場所を簡単に改変できる点にある。クリスパー・キャス9では、細胞の中の核に含まれるデオキシリボ核酸(DNA)を切断する機能を持つ人工酵素「キャス9」でDNAを切断し、切断した部分の遺伝子の働きを失わせたり切断部に別の遺伝情報を挿入することで遺伝子を改変する。
効率的な改変は、キャス9を改変したいDNAの配列まで案内するリボ核酸(RNA)である「ガイドRNA」と組み合わせたことで可能となった。
ガイドRNAは改変したいDNAと相補的な配列を持っており、ターゲットとなるDNAとだけ結合する。キャス9がガイドRNAと複合体を形成し、ターゲットDNAの配列を高精度で改変できるという仕組みだ。クリスパー・キャス9は生命科学の研究に欠かせないツールとなっている。
RNAでDNAを編集できる技術はできている。一方的な情報だけ信じて、自分が信じている情報以外はデマとか偽情報というレッテルを貼るのは簡単だ。しかし、科学、化学においては別の可能性や原因を考えるものだ。
mRNAだって、人体に本格的に接種したのは今回は初めてだ。どんな副作用や、後遺症があるかなんて現時点ではわからない。というのが正解だ。今までだって、安全だと言われた薬などで色々な薬害があった。
人間の中にあるDNAは、60億の配列があると言われている。60億の組み合わせが人それぞれ違うなら、薬の効果が人それぞれ違うのは当然の話だ。DNAが全く同じでも、機能しない遺伝子などもあり、一卵性双生児でも違うのはそういうことらしい。
つまり、同じDNAで同じ働きをしている人は、いないはずだ。ということは、人それぞれ全く違う効果になる可能性もある。その可能性を考えるのが科学、化学だと思うのだが。