昨日の3月1日は、ボクシングの世界タイトル戦でした。
WBCバンタム級のタイトルマッチ
王者 ルイス・ネリ × 同級1位 山中慎介
この試合は、因縁の試合で昨年のタイトルマッチでチャンピオンだった山中選手が負けたのですが、
ドーピング検査でネリ選手から禁止されている物質が出てWBCのどう裁定するのか?と話題になっていました。
結果的には、メキシコで牛の成育を早めるために使われる物資であり、ネリ選手が故意に摂取したものではないということで、結果は変わりませんでした。
この段階で疑わしいのですが、こういう場合は一旦無効試合にして再試合というのがいいと思うのです。
WBCとしては、試合は有効としてネリ選手に山中選手との再試合を要求して今回の試合が開催されることになったのです。
ところが・・・
計量の段階でとんでもないことに。
バンタム級 52.16kg~53.52kg 契約
1回目計量
ルイス・ネリ 55.8kg
山中慎介 53.3kg
なんと、リミットよりも2.3kgもオーバーしています!!!
階級でいうと
スーパー・バンタム級 53.52kg~55.34kg
フェザー級 55.34kg~57.15kg
スーパー・フェザー級 57.15kg~58.97kg
2階級も上の体重で、フェザー級です。
再計量で54.8kgまで落としましたが、リミットオーバーで王座剥奪です。
試合する前から滅茶苦茶な状態です。
当日計量のリミット58kgは、57.5kgでクリアして試合が行われましたが、体重制限のある格闘技でこれは酷い。
減量を経験したことがある人ならわかるのですが、53kgまで落とした体は1日で58kgまで上げることは難しい。
水分であれば簡単なのですが、小さくなった体や筋力を戻すには数日かかります。
つまり、最初の計量の時点での体重差というのが自力の力の差になります。
軽量級なので、1kgの差が大きいのです。80kgの人の1kgと50kgの人の1kgは全然重さが違います。
ネリ選手は、試合前の60kg近くまで体重があったという話もあります。ライト級なみです。
ライト級までいくとパンチは滅茶苦茶重いです。
体重オーバーがあった場合は、競技や運営する団体によって異なりますが、試合はするけど無効試合であったり、グローブハンディをつけたり、当日までにリミットまで落とすように指示し落とせない場合は負けにするとか・・・
色々なパターンがありますが、今回の内容は全くお咎めなしという感じです。
当日に、58kg計量って意味があるのでしょうか・・・
これがまかり通るなら強い相手と戦う場合は、体重オーバーで戦い。勝てそうな相手とタイトルマッチをして、リミットで試合するという方法も可能になります。
ボクシングというのは、負けたら引退という覚悟でやっている人も多いし、負けたらダメージでその後の生活に影響がでるかも知れません。
それだけ、体重であったり競技内容には厳格でなければいけないのですが。
オリンピックを見ても、メダルを期待されて大会に出ることのプレッシャーは想像できないくらいのものだと感じます。
ただ、あくまでもアマチュアなので仕事をしながら遠征したり、全てのことを犠牲にしてメダルを目指す人も多くいます。
それでも、競技なので結果が出ない人もいる。
選手をサポートできる組織であったり、信頼できるような大会ルールがないと競技として大会として発展するのは難しいと思う。
ボブスレーの件でも、後味の悪さを感じてしまったし、ボクシングの試合もこんな事があると楽しく見れなくなってしまう。
体重オーバーで試合中止というのも問題だったのかも・・・興行としては、無効試合でもメインイベントがないと人が来ないだろうし、払い戻しなんてことも起きるだろうし。
結局、お金がからむとややこしくなる・・・