ニュースで「哲学の木」が切り倒されるというのを見た。そもそも、「哲学の木」というものを知らなかったのだけど、とても綺麗で雄大な景色の中に1本だけ木が悠然と佇んでいる映像だった・・・
では、なぜ？木が切り倒されたのか？
それは、元々私有地の中にあった木に観光客が来て、回りの畑などに入り荒らすからと、木の老朽化ということだった。私有地に入り込んで撮影というのは、そもそも問題だ。
このニュースには、色々な問題が包括されているように思う。
私有地が観光地になっている
まずは、ここだ。私有地だから当然、管理とか含めて個人が行う。そこが観光地になってしまうと全て、個人の善意によることになる。
それでも、所有者の人は沢山の人が来て喜んでくれれば・・・と思っていたのかはわからないけど、人が来ることを拒んではいなかった。
それでも、善意の範囲を超えたということだろう。
観光客のマナーという問題もあるけども、来る人みんながマナーがいい人なんてことはない。しかも、爆買いに象徴されるようにマナーが多少悪かろうが、金を落としてくれる人をむしろ積極的に来てもらうようにしている。
金を落としてくれるマナーの良い人・・・ってのは、こちら側の勝手な都合だ。
鎌倉でも、学校に勝手に入ろうとしたり、踏み切り内で立ち止まるとかで問題になっているとか。
結局、困るのは地元の人達なんだよね・・・
誰が利益を得ているのか？
ここも改めて考えないといけない。今回のように私有地が観光地になった場合に、土地の所有者は利益を得るということは入場料でも取らないとない。
しかし、今回のニュースではそのような話もなかった。つまり、本来コストがかかっている人には何の利益もない。なにかしら、修繕費や迷惑料でも入らないと木の維持だって出来ない。
日本の観光の問題点というのは、ここも重要だと思う。
ここだけではない。観光地となると全国のお寺や神社になるけども、きちんと修繕できるような所は大きな所しかないだろう。それでも、日本製の漆が足りないなどの問題も起きている。
入場料を取れるような寺や神社ならいいけど、そんなに多くない。
そんな状態で、観光地として維持していけるだろうか？
受け入れる体制は出来てるの？
結局、これにつきるのだけど「民泊」も段々と規制緩和で出来るようになっている。これによって、空いている部屋があれば外国人の観光客を受け入れることが出来る。でもね・・・これも問題になっているし、絶対に問題が起こるだろう。
観光ではなく、不法滞在を目的とした人が大挙することも考えられる。いい面だけでなく当然負の面も見なければいけない。今でも、観光目的で来日して不法滞在し違法な方法で稼いだり、犯罪を犯す人はいる。
日本に来て、観光だけで帰ればいいけど、民泊なんかになればいつ帰るか？なんてこともわからない。いつの間にかいなくなって、日本で不法滞在なんてことも十分可能だ。
それに対する対策はあるだろうか？規制できる法律はあるだろうか？
受け入れる方の規制は緩和されているけど、その先に予想できることに対しては何もないだろう。結局、大きな問題になるか事件が起きないと規制できないんだろうな・・・
面倒な事は全部お任せじゃない？
この言葉に尽きると思うのだけど何か問題があったとしても、個人や地域の人が対応することになる。そうなると対応に限界が来るのは明らか。その次に来るのは、木が伐採されたように観光客の受け入れの拒否になるのではないだろうか？
そうなると誰も喜べない結果になる。
観光地にも問題はある。クレジットカードが使えるところが少ないとか、日本語の表記しかないとか・・・
クレジットカードの問題については、簡単に思えるだろうけど実際は難しい。そもそも、クレジットカードは手数料が発生する。じゃー、支払いでクレジットカードを使った場合に手数料分を多く取られているか？たまに、あるけどクレジットカードで払う場合は数％高くなるところ。
でも、これは本当はダメ。カードの手数料は店が払うことになっている。これがカード会社の収入になる。クレジットカードを使われるだけで店からすると減収になる。
さらに、カード会社によって異なるけどもカードを使った人からお金を徴収できない場合は債権が戻ってくる場合がある。つまり、後は自分でお金を回収してきてねと。
それから、実際にお店にお金が入ってくるのは1ヶ月後とかになる。月末締め翌月末払いなんかだと月の初めにカードで支払ったお金は翌月の末に入ってくることになる。
でも、お店は在庫を仕入れないといけない。資金が足りなくなるのは誰にもわかる。
そういう理由もあったりして、単純にカードを使えるようにするってのは難しい。
これだけでも色々と問題がある。観光地のお土産屋さんだけで対応するのなんて無理。
本当に日本に沢山の観光客って必要なのかね？
改めて考える必要があると思う。
