WSJ(ウォールストリートジャーナル)でおもしろい記事があった。
「韓国の豊かさ、日米に10年で追いつく可能性」
検索すれば、記事の内容は読むことが出来ます。
内容としては、ソウルに本部を置く韓国の民間シンクタンクによると、韓国は米国と日本が10年享受してきた現在の富の水準に向こう10年で達する可能性がある。
引用はじめ
現代経済研究院(HRI)は新たなリポートで、韓国が国内総生産(GDP)伸び率3%台半ばという現在の潜在成長率を維持した場合、韓国の一人当たり国民総所得(GNI、国民一人当たりのGDPと海外からの純所得の合計)は2024年までには5万ドル(約596万円)に達する見通しだと明らかにした。韓国の一人当たりのGNIは13年には2万6205ドルだった
世界銀行によると、米国の13年の一人当たりGNIは5万3470ドル、日本は同4万6330ドルだった。
一方、スイスは9万0760ドルと他を圧倒した。韓国は13年のGDP成長率が3%、14年は3.4%となる見通しで、政府は経済動向がHRIの予想とほぼ一致するとみている。
引用おわり
引用元 http://jp.wsj.com/articles/SB10441675140911724742004580382601376798436
この記事を見て、書き方によって印象が全く変わってしまうと感じた。
記事の最後には、どう書かれているかと言うと。
引用はじめ
HRIのリポートは、一人当たりGNIが「5万ドルに達するための条件」も列挙している。
リストには韓国が何年も克服に苦戦してきた課題が集約されている。例えば、従来の輸出主導型経済は行き詰まり、それに代わる新たな経済モデルの構築が必要だ。また、景気拡大を維持するためには急速に縮小する労働力の強化や内需の押し上げも要求される。同リポートは、「(韓国の)製造業は危機的状況にある。中国をはじめとする新興諸国に急速に追い上げられているが、先進諸国にはとても追いついていない」と指摘。韓国の鉱工業や労働生産性はここ数年、ほとんど改善していないとの見方を示した。
引用おわり
引用元 http://jp.wsj.com/articles/SB10441675140911724742004580382601376798436
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GDPの伸び率が3%台半ばという前提なのに、1人当たりのGNIの話にすり変わっている。
GDPが伸びれば、当然1人あたりのGNIも増えるだろうけど、比較する項目が変化すれば評価のしようがない。しかも、GNIの数値ではなく「1人あたりの」という項目にも変化している。
GDPで議論するならば、1人当たりGDPで比較しないと何とも言えない。
それでも、10年間同じ比率で成長した場合に、今のアメリカと日本の水準に追いつくということらしい。つまり、10年後に10年前のアメリカ、日本の水準にまで行くと。
色々な理由や比較する内容を変化させて、見え方を変えているようにしか思えない。
更に、問題点についても書いているのだけど、新興諸国に追い上げられているけども、先進諸国には追いつけないとも書いている。
もう、支離滅裂・・・
この内容でWSJの記事になるのかと唖然としてしまった。
10年後に、今の水準に経済が成長しても、世界全体の経済も成長しているので、相対的には、豊かににはならないだろう。
豊かさについても、基準は曖昧。アメリカ、日本だって豊かと言えばそうかもしれない。
しかし、日本の場合は長引く不況で豊かさを感じる事は、それほどない。
みんな、節約して生活している。それは、GDPが増えようが関係ないだろう。
実際の収入が増え、労働時間が減り、物価の上昇が緩やかであれば豊かになっていると感じるだろう。
1人当たりのGNIに関しても、1人のお金持ちが巨額の収入を得ても、1人当たりGNIは増える。
その他の大勢が豊かになったと感じるのか?
豊かさなんて数値で測れないものでは、ないのだろうか?